昼下がりの城端線の列車は、たった一両のディーゼルカーだった。ワインレッドの車体に幅の異なる二本の白いストライプを巻いた塗色、と表現すると粋な感じがするが、かなりくたびれた車体を塗りなおした上に、薄汚れているのでむさ苦しい雰囲気だ。どうせならもっと明るい色にして気分だけでも一新してほしいものだ。車内に入ると意外にも混んでおり、中央部の四人掛けボックス席はどこも先客がいて、窓側進行方向の席はいっぱいだ。かなりお年を召した地元の客ばかりで、疲れ果てた気分が充満している。定刻に、重い腰を上げるようにして列車は出発した。すぐに左にカーブして北陸本線と別れを告げる。雑然とした市街地を抜けるうちに最初の停車駅・二塚である。どうということのない小さな駅であるが、左にある工場へ引き込み線がわかれていく。実はそこまで貨物列車が一日二往復運転されているのだ。今どき、この程度のローカル線で貨物列車が運転されているとは珍しい。